砂川ひろのりの日記

政治・経済・社会批評について

沖縄が貧困な理由を一言でまとめると

沖縄が貧困な理由はいくつかの複合的な要因に求めることができるが、やはり資本主義の性質を知っておいたほうが一番分かりやすい。
その性質を一口にまとめることはそう簡単にはできないが、フランクやアミンの「従属理論」に源流を持つイマニュエル・ウォーラーステインの「世界システム論」にしたがうと、資本主義の核にあるのは不等価交換システムであり、不等価交換システムとは、周辺地域から富を収奪する中央が利潤を最大化することによって経済的に成長していくという構図によって成立する不平等なシステムである。
言うまでもなく沖縄は日本のなかの周辺地域であり、しかも全国のなかでももっとも周辺に位置しているため、資本主義の不等価交換システムによる損害を一番受けやすい。
沖縄の最低賃金と県民所得が全国一低いことからもそれが容易に理解できるだろう。
したがって、日本の周辺地域であり続けるかぎり、残念ながら沖縄が経済的に発展することはほとんど難しい。
ましてや自立経済など遠い夢のような話である。

5月6日付の琉球新報紙上で「貧困・雇用 沖縄経済を読み解く」と題された連載記事を書いた司法書士の安里長従氏による分析を見ると、沖縄は全国平均に比べて富が県外に流出する割合が高いことを示す算出式が出されている。
安里氏は、「…いわゆる本土資本の市場支配力が強いため、県内の賃金に反映されていないのではないか」と指摘する。
つまり、県内で生み出された富が中央=東京に吸い上げられる構造の存在に注意を促しており、これはまさに資本主義の不等価交換システムによるものだと言うことができる。

では、日本から独立して、一国家の周辺地域に置かれた立場から抜け出すことができればそれで問題解決かと言えば、そんなに単純な話でもない。
日本の一部であることによって受けられる地方交付税や国庫支出金など地域的な経済格差を是正する政治的な統一機構の存在のおかげで、沖縄はさらなる貧困地域に陥る危険性を免れているからだ。
広大な土地や活用できる資源・エネルギー、あるいはITや金融など収益性の高い産業などがあればまた話も変わってくるだろうが、残念ながらそのようなものは沖縄にはない。
あるのは観光・リゾート業、情報通信産業とは名ばかりのコールセンター、そして持続的な利益を何も生み出さない公共事業と公務員くらいである。
非常に暗澹たる気持ちにさせられるが、以上見てきたように、このまま近代資本主義社会が続いていく以上、日本から独立してもしなくても、沖縄が経済的に発展していく可能性はほとんどないと言っていいだろう。