砂川ひろのりの日記

政治・経済・社会批評について

親ができる最大のサポートは子どもの「邪魔をしない」こと(超難関校に合格した芦田愛菜ちゃん①)

前回、子どもの「分からない」の多用は、そのまま親の知的姿勢を反映していると書いた。
子どもが勉強しないのは親が勉強しないからだと言えるわけで、子どもに対する「勉強しなさい」という忠告は、まずは自分に向けたほうがいい。
社会学者・宮台真司先生の言葉を借用すれば、「子どもにバカをうつすな」ということになる。

今回はその続きを書くことにする。
続きを書く予定は特になかったのだが、先日コンビニでたまたま手にした週刊誌に、天才子役と謳われる芦田愛菜ちゃんが超難関名門中学校に合格したという記事が掲載されていて、彼女の勉強法というか私生活での過ごし方がとても参考になり、前回の続きを書けそうな気がしたからだ。

僕が手にした週刊誌の記事には、愛菜ちゃんがどこの中学校に合格したのかは書かれていなかったが、ネットで調べてみたところ、合格したのは慶應義塾中等部女子学院の2校とあった。
なるほど、これが事実なら彼女はとても優秀な子に違いない。
慶應義塾は言わずもがな、女子学院は女子校御三家の一つに数えられる学校であり、昨年の東大合格者数を34人も出すほどのエリート中のエリート校。
両校とも偏差値は70にせまる。
天才なのは子役としてだけではなくて、勉学の面でも天才だったようだ。
芸能活動をしながら、どうやって1日10時間以上も(しかも小学生のうちから!)勉強しなくては受からないような超難関校に合格したのか、とても気になるところだが、同記事を読んで得心がいった。
本人がすごいのはもちろんだが、両親のすばらしい教育法が紹介されていたからだ。
特に父親が読書家で、幼いころから愛菜ちゃんに本を与えてきたらしく、彼女が興味を持ったことに対しては、何かヒントになるような本を選んで、「自分の頭で考える」サポートをしてあげていたのだそう。
父の影響ですぐに本の虫になった愛菜ちゃんは、小学校低学年にもかかわらず、多いときで、なんと月50冊もの本を読んでいたというから、超難関校に受かるための素地は幼いころからしっかりと出来上がっていたと言えそうだ。
読書とは、歯磨きとかお風呂とかと同じようなものだと、ある雑誌のインタビューでは語ったこともあるのだとか。
しかも夏目漱石の『吾輩は猫である』を読破したというから驚きだ。
教養として日本人なら読んでおくべき小説のひとつだが、もはや難関大学の学生ですらちゃんと読んだことがある人はもうほとんどいないんじゃないかと思うくらい、知性を求められるレベルの本を小学生で読破したことが、語彙力を筆頭に愛菜ちゃんのすごさを物語っている。
父親のみならず母親は母親で、日頃から「物事はじっくりと考えなさい」と教えていたようで、このように育てられた子が、「分からない」ものを分からないまま放置するなんてことはあり得ず、ちゃんと自分の頭で考えてきたことは間違いない。
ここまでくれば両親にしてあげられることは、たったひとつしかない。
子どもの「邪魔をしない」ということだけだ。
あとは興味のおもむくままに自由にさせてあげさえすれば、それでいい。
記事によれば愛菜ちゃんのめざすゴールはあくまで女優ではあるものの、仮に女優じゃなければ白衣を着た仕事、たとえば医者や科学者などに興味があるらしく、将来のいろいろな選択肢を考えられる視野の広さをも持ち合わせていることがここから分かり、母親の教えは彼女のなかでしっかりと根を張っているように見受けられる。

そう考えると、天才子役の超難関校合格は奇跡でも偶然でもまぐれでもなんでもなく、彼女にとってはごく当たり前のことだったと言っていいかもしれない。